LOVEPAIN③

私は須田と別れる決意をした


だけど、そう簡単には別れられないと思うからか、
まだそれを須田本人に対して口にすら出せずにいた




前回の雑誌の撮影と取材から仕事がないまま3日が過ぎ、
平凡な毎日を送っていた


そんな時、買い物に行った際に、
何気にモッズコートのポケットに突っ込んだ手に何かが当たった



それを取り出すと、
それはいつか貰ったナツキからの名刺だった



“――それ、俺の名刺。

ケー番とかメアドとか書いてるからさぁ、
連絡して来なよ――”




“ナツキ”の“菜月”って、こんな字書くんだ、と呑気に思いながら、

あ、と思った



須田の事を、ナツキに相談してみようと




< 123 / 474 >

この作品をシェア

pagetop