LOVEPAIN③
私は須田と別れる決意をした
だけど、そう簡単には別れられないと思うからか、
まだそれを須田本人に対して口にすら出せずにいた
前回の雑誌の撮影と取材から仕事がないまま3日が過ぎ、
平凡な毎日を送っていた
そんな時、買い物に行った際に、
何気にモッズコートのポケットに突っ込んだ手に何かが当たった
それを取り出すと、
それはいつか貰ったナツキからの名刺だった
“――それ、俺の名刺。
ケー番とかメアドとか書いてるからさぁ、
連絡して来なよ――”
“ナツキ”の“菜月”って、こんな字書くんだ、と呑気に思いながら、
あ、と思った
須田の事を、ナツキに相談してみようと