LOVEPAIN③
取材が終わり、そのライターさんは成瀬に見送られながら、
会議室から出て行った
一段落着くと、
すぐに鞄にしまっていた指輪を取り出して、指に嵌めた
もう二度と、同じ過ちはしない
また無くなったら、洒落にならない
ふと、扉の前で突っ立ったままの成瀬の方を見ると、
私の指に有るその指輪を見て、意味深に目線を逸らす
忘れた訳じゃないが、これは成瀬に買って貰ったもの
私は意を決するように、携帯電話を鞄から取り出した
そして、開くが、鬼のように須田から着信が有る
メールも複数件
電源を切るのは後々何か言われたら嫌だから、
音だけを消していた