LOVEPAIN③

あの夜、成瀬はずっと私を抱き締めてくれていた


それは、廊下が騒がしくなり、
須田と篤がこちらに戻って来る気配を感じる迄



お互い、そっとその体を離した




須田がかなり冷静になったのが、
部屋に入って来た時の表情で分かった


篤と話しながら、少し笑みさえ浮かべている





「――この人、広子の所の社長さんだっけ?」


須田は私と成瀬の前迄歩いて来ると、
私達に合わせるように床に腰を下ろした




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