LOVEPAIN③

「そうそう。
これ貰って来た」


須田はジーンズのポケットから一枚の紙を取り出して、
テーブルの上に置いた


それは、何重かに折り畳まれている




「――なに、これ……」



私は嫌な予感がしながら、
その折り畳まれた紙を開く




それは、婚姻届け



そして、須田の名前は既に書き込まれている



今の名前である、村上圭也って




「別に、今すぐ出しに行こうって訳じゃないから。
証人のサインも要るし」


「だから、近いうちに、籍だけ入れないか?」


そう一人で楽しそうに話す須田の言葉を、
私は呆然としながら聞いていた



聞こえてはいるけど、
頭には入って来ない





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