LOVEPAIN③


床には、私とナツキが脱ぎ捨てた衣服が落ちているけど、

須田の位置からはソファーが邪魔で見えないだろう



ソファーに仰向けで寝ているナツキの姿も、
ソファーの背が邪魔で、見えていないかもしれない



須田に見えているのは、
彼氏である自分ではない男に全裸で跨がっている、私の姿だけ





「――ケイ、俺、広子と付き合おうと思って。

だから、別れて」


そう言ったナツキに目を向けると、口角を上げてニヤリと笑っていた



今、この場面に須田がやって来たのは、
ナツキによって仕組まれたものなのだろう




須田は呆然と立ち尽くしていて、
一言も発しない



ただ、私の顔を見ている





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