LOVEPAIN③


「あ、あの、これ……」


そう言って、服を買った時にとっておいた紙袋に、
須田の私物を全て入れた物を床に置いた




この時間に篤の部屋に居るって事は、
須田は今日は仕事が休みなのだろうか?



けど、お店自体の定休日は違う曜日だったから、

休んだのかもしれない



そんな事を思い、

そうやって私が定休日を知っている事が、
私と須田が付き合っていた事の一つなんだな、

と懐かしくて、物悲しい気持ちになった




「――これ返す」


ガチャ、と音を立てて、須田は目の前のローテーブルに、
鍵を一つ置いた



それは、私の部屋の合鍵だろう



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