LOVEPAIN③
「じゃあ。俺会社戻るから」
「――はい」
そう言って、車から降りたけど……
すぐに走り去って行く、成瀬のそのアルファロメオを見ていて、
後ろ髪を引かれるような気持ちになってしまう
今、成瀬は凄く辛いはずだから、
側に居たかったけど、それを言う事すら出来なかった
さっきの成瀬の笑顔が、なんとなく私を拒絶しているようにも感じたからかもしれない
もう、俺は大丈夫だから、と
もし、私が成瀬の彼女とかならば、
辛いから側に居て欲しい、と、こんな時に泣きついてくれたのかもしれない
大丈夫じゃないから、って