LOVEPAIN③

「え、あ、そうですね!

ナツキさんが、私に何かを買ってくれるわけないですよね……」



須田には指輪以外に特に何か物を買って貰った事はないけど、
二人で買い物に行った時、
何か私に買ってくれようとしていた



男女間の事が無知に近い私は、

カップルがデートで買い物に行くって、
そう言う事なのだと思っていたけど、違うんだな



そう思っていたから、
ナツキが私なんかの為に何かをプレゼントしてくれる、
と言う事に驚いて訊いただけで……



べつに、ナツキに何かを買って貰おうと、
期待してたわけではないのに



それ以上に、何かを買ってくれるのならば、
いらないと断らないと、と思う




「俺にたかろうとして来た女、初めて」


火が付いたように、ナツキは笑っている




「あ、ごめんなさい!

べつに、私たかろうとかそんなわけじゃなく……。

違うんです!」


そう言い訳するが、
笑っているナツキの耳には届いてはいなかった






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