LOVEPAIN③
「お前、いくら下ろして来たのか知らないけど、
鞄両手で抱えて超怪しい。
大金、持ってんのバレバレ」
「えっ!」
バレバレなのだと、私はさらに鞄を守るように抱えてしまう
ギュッ、と
私とナツキは、目的のファッションビルに入ると、
エレベーターで最上階へと行き、
ぶらぶらと歩く
行き交う人達の、視線
いや、行き交う女性達のナツキに対する熱い視線を、
横に居る私迄痛いくらいに感じてしまう
このビルに来る前もそうだったけど、
すれ違う人、男性でもナツキの容姿を見て振り返る人が多い
同じく容姿の優れた成瀬と歩いている時は、
特に気にした事は無かったけど
もし、今と同じような事が有っても、
気付かないと言う事は、
気にならない程だったのだろう