LOVEPAIN③
「ん、じゃあ、広子店に来て。
俺の客になってよ。
慰めて」
妖艶なホストの顔で、そう交わされる
私はどう言葉を返していいのか分からなくて、
口を結んでしまう
きっと、ナツキは私なんかに、
その本当の姿をさらけ出したくないのだと、分かった
醒めたように、そんな事迷惑だと私を突き放す
お互いの傷を舐め合うだけの、
そんな関係はいらないのだろう
「じゃあ、俺行くから」
「はい……」
意気消沈したのか、
特に拒む事もなくベンツから降りる
そして、後部座席の大量の荷物を下ろした
そのナツキの白いベンツは、
すぐに動き出す
さよなら、の合図のクラクションが鳴らされ、
去り行くその白いベンツを見送った