LOVEPAIN③


「――はい。どうしました?」



電話の向こうの成瀬を頭に思い浮かべるが、

浮かぶのは、最後に車の中で見た成瀬のあの笑顔



見ていると苦しくて、悲しくて


私を遠ざける、その笑顔




『――広子、俺、もう無理。
死ぬかもしれない。

こんなにも苦しいのなら、いっそ、死んで楽になりたい』


いつもよりも低く、弱いその声





「成瀬さん!!

死ぬってなんでですか?

また和真さんに何かされたんですか?!」



携帯電話を持ったまま、思わず立ち上がる



今すぐにでも、成瀬の元に行かないと






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