LOVEPAIN③


『いや……。風邪引いて……。
風邪薬、なんでもいいから買って来てくれないか?』


ゴホゴホッ、と、苦しそうな咳




「風邪?」



『俺、今日休みで部屋に居るから。
鍵、まだ持ってるだろ?

頼む……』


そう言って、その電話は私の返事も聞かずに切れてしまった



そりゃあ、今の私は部屋で一人暇しているから、
その成瀬のお願いを聞けるけど



もし、私が今は彼氏のナツキとデート中とかだったら、
無理なのに



なのに、成瀬はこんなにも一方的に……




でも、もし今がデート中だったとしてもすぐに切り上げて、

そんな成瀬の元に風邪薬を持って駆け付けたかもしれない



彼氏のナツキと、
成瀬の顔が頭に浮かぶが、
天秤が成瀬の方へと傾く




成瀬もなんとなくだけど、
私が成瀬を選びそうする事を分かっていそう



成瀬と私、気持ちだけはそんな風に繋がっているのだろうか……






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