LOVEPAIN③
本日、成瀬は忙しいみたい
そのエステ店にも私一人で行き、
終わったら事務所へそのまま勝手に来いと
その前日の電話で言われている
まぁ、そのエステ店からマンションと事務所迄、
電車で一駅だから別にいいのだけど
ただ、こうやって段々と私のマネージメントに手を抜いて行くんじゃないかって、思った
言われていた時間の16時よりも早めに、事務所に着いた
オフィスには成瀬の姿はなく、
その代わりに私を待っていたのは実樹子さん
待っていたと言うよりもたまたまだろうけど、
入り口のすぐ近くに立っていた
「広子ちゃん、早いのね。
じゃあ、のんびりとメイクして行きましょうか?」
「成瀬さんは?」
そう言って、オフィスの中を見渡すが、
デスクに座り電話中の阿部さんが一人居るだけ
「今、近くの喫茶店で、メーカーの人と打ち合わせみたい。
先方から、うちの社長のアイデアも聞きたいからって。
確か、モモちゃんのだったかしら?
メーカーによっては、作品を作る際に、プロダクションの意見も聞いてくれる所もあるから」
「へぇ~、そうなんですねー」
私の場合は、監督兼プロデューサーのコウジロウさんが殆ど勝手に決めていそう
そして、それを向こうのメーカーの上の人が、
首を縦に振るかどうかって感じで
そういえば、ホストクラブに行ったあれっきり、
モモさんに会っていないな
せっかく仲良くなったのだから、
携帯番号くらい聞いていれば良かった