LOVEPAIN③
吐きそう
ドンペリ10本が運ばれて来て、
私達のテーブルの上に所狭しと並んだ
ナツキの他にも何人ものホストが私達のテーブルを囲むと、
妙な掛け声でそのドンペリを一気に飲み干して行く
その中に、須田が居なくて、
安堵してしまう
こんな形で須田が目の前に来たら、気まずい
そのドンペリは、気付いた時には、8本が空になっていた
そして、他のホスト達が散り散りに消えて行くと、
「もう、ここはいいから。
あのデリヘルの子頼む」
ナツキは自分の代わりにヘルプで付いていたカズに、
そう耳打ちをしていた
今、ナツキには女社長の太客以外にも、
他のお客さんも沢山来ているのかもしれない
彼はこの店の、ナンバーワンホスト
「成瀬さん、無茶しますね」
苦笑いで、ナツキは再び私の横に腰を下ろした
「ふっかけたのは、お前だろ」
「まぁ、そうなんですけど」
成瀬とナツキは微笑を浮かべているが、
いつ喧嘩になってもおかしくないようなこの空気に、
私はビクビクとしてしまう