となりにきて。
カランカランと独特な音を鳴らして出迎えてくれる店。
看板には『change』と掲げてある。
ここが俺の居場所。
「あれ?今日ちょっと遅くね?」
店長が黒縁の眼鏡を得意気にくいっとあげながら話しかけてきた。
松田蓮太(まつだれんた)
男の俺でもイケメンと言えるであろう顔立ち、この店を立ち上げた張本人、そして何より若い。
女性客に人気なのも頷ける。
「すんません、朝早く起きてからまた寝たらこんな時間に…」
「ま、いいや。雑貨ってのは若い女性に人気だから、大体学校が終わる時間帯が少し混むくらいだし。来ないよりはましだ。」
俺に背を向けながら、手をひらひらとあげる店長。
…なんとも掴めない人物である。