となりにきて。

仕事用のエプロンを、きゅっと結びつけてスタッフルームを足早に駆けていてく。


扉の奥には営業ホールが待っている


俺が扉を開けるとほぼ同時にあの独特な音が店内に響く。


「いらっしゃいまっ…宮内かよ…」


溜息が漏れるとあいつの喧嘩腰な言葉が返ってきた。


ま、スルーだけど。


宮内秋人(みやうちあきと)

ここでは二年ほど働いているが業務は覚えないわ、営業時間は覚えないわ、で一番手間のかかる奴。


俺はその永遠新人くんの永遠世話係。


「無視かよ!無視すんなよー悠くんー!」


「うるっさいなぁ…聞こえてるよ」


耳を塞いでうるさいのをアピールする。


それでも秋人の声は収まらないようで…


「超うるさいんだけどー!店の客足が遠のいちゃうよー」


怒り気味に会話へと入ってきたウィキくん。


それでも優しいからウィキくんはそのまま秋人の話に乗せられてしまう。


あ、本当に客足が遠のいてるかも。
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