ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
様子を伺いながら向かい側に腰を下ろすと、待っていたかのように口を開いた。





黎「架月誘ったんだけどさ」




「やめてね」




黎「...フラれた。架月なら絶対来ると思ったのにぃいぃぃ...」




「ふーん」





俺が生物の教科書を開くと、黎も真似をして教科書を開いた。


のはいいんだけど...





黎「架月実はあんな性格して頭いいとか?そんなギャップ求めてないよ!俺は!」




「いや知らないし」




黎「架月は俺の仲間だと思ってんの。わかる?どぅーゆーのう?」




「その『自分英語できます』アピールやめて」




黎「もうヤダ!皆して頭いいんだもん!あの沙絃だって70点は取れちゃうんだもん!」




「あーはいはい。そんなこと言ってる時間あるなら少しでも暗記しようか」





と言いながらも、沙絃ってそんな出来てたっけと疑問に思う。


取り敢えずこの人は期待を裏切らないバカだ。





ふてくされる黎にペンを握らせて重要なところをかかせる。





自分から勉強を教えてと言ってきただけあってなかなか真面目にやってる。





どういう風の吹き回しだろう。


大学に進学するつもりなのか?黎が?





何したいかよくわかんない黎だけど、それなりに夢があるのかな。





それより架月のことはどうすんだろ。


好きならもっとアタックしちゃえばいいのに。





ぼーっと黎をみつめて考えていると、ふと思い出したことがひとつ。





「そーいえばさ」




黎「お?」




「架月とソラって付き合ってんの?」




黎「#>*?>\^!!!?」




「もっかい言って」






どこぞの言葉かよくわからなかったので聞き返す。





黎はペンが折れそうなほど手に力を入れて、自分の中のなにかを押さえ込んでいる。





黎「そ、そそそそ、そんなわわわ訳っねぇーよ!はぁ!?」



「落ち着け」



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