君と僕の物語
光side
ある春の日に蒼と光は出逢った


なんのかわりもない普通の堤防


東京にしたら少し珍しい


誰も通らない道


誰も通らないから歌っていた


昔から歌うのが大好きだった


ずっと音楽の学校に通っていた


中でも私の成績は自分でいうのもなんだけど素晴らしかった


ピアノも弾けて、歌も歌えて音楽ならなんでもできた


逆にそのなんでもできるのがダメだった


みんなからは羨ましがられ、先生には褒められるものの、みんなからの視線


両親は世界的に有名な音楽家


家は当然、お金持ち


ホントになんでもできてしまっていた


ずっと習わされてきたから…


両親からの期待


それがプレッシャーになっていった


すべてが怖かった


だから、一人で歌うことに没頭した


一人で歌っているとみんなからの視線なんてどうでもよくなる


怖くなんてない


だけど、もしもの時に備えて誰も通らない場所にした


ここなら誰にも会わない


そう思ってたから…


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