君と僕の物語
蒼side
堤防で歌っている君を見つけた


すごく歌が上手くてホントに人間かと疑った


透き通った声


正しい旋律


なにもかもが完璧だった


顔立ちも整っていてすごく綺麗だった


だけど、どこか悲しそうだった


音はあっているのに、完璧なはずなのにどこかが欠けていた


俺が言うのはどうかと思うけど…


俺は毎日、ギターを弾きに堤防に来ていた


だけど、こんなやつがいるとは思いもしなかった



ギターは親父の形見


ずっと弾いてきたらしい


お袋と二人でユニットを組んでいたらしい


そこそこ有名でそこそこ上手かった


(そこまで聞いたことなかったけどな)


でも、俺はからっきしダメだった


まず、弾き方が曖昧だった


親父が死んで教わったのは中学2年くらいのときだしな…


まぁ、昔だな




俺はコイツとユニットを組みたいと思った


実力が違うのは見てわかる


だけど、欠けている部分を自分で見つけたかった


その時から惹かれていたのかもしれない…








< 4 / 24 >

この作品をシェア

pagetop