君と僕の物語
出逢い
東京の田舎にある堤防


君と出逢った


誰も通らない


そう思ってた


だから、いたときはびっくりした


夕焼けの空


爽やかな風


風になびく髪


こんなにもドラマチックなことってあるんだろうか



……ちょうど目があった


「「あ、あの!」」


被ってしまった…


「そっちからどうぞ」


そういった俺は、ずっと君を見ていた


いや、目が離せなかった…


君は俺をみて笑った


「なんだよ?」


笑われたのがなんか悔しかった


「何にもですよ」


「ただ、その制服、うちの高校ですよね??」


気づいたら君は制服を見ていた


……??


「え??お前もなの?」


「ここ有名な高校だぞ?」


わかってるよ


お前は有名だから…


「なにいってるの??」


「そんなこと、わかってるわよ!」


「香桜世界音楽院でしょ?」


「失礼ね!お前って名前じゃないわ」


「私の名前は、高月 光」


知ってるよ…


お前は俺の憧れだった


「はいはい、光ね」


「光は、俺のこと知ってるか??」


光は微笑む


俺のことを知っているかのように……


「私の質問を教えてくれたら、教えてあげるわ」


「なんで、ここにいるの?」


それは……


「それはだな!俺がこの近くに住んでいるからだよ」


ホントはこんな理由じゃない


住んでいるのは事実


でも、言っても信じてくれないだろ?


光……


「そう、なの…
ずっと探してる人に似てたから……」


残念ね……


すごく似ていたんだけど……


「あの、さ…」


覚えててくれてる


俺との約束


光はずっと俺のこと探してくれてたのか?


光……


俺も探してたよ


「あっ、いいのいいのー!
気にしないでっ!」


きっと、君は私が悲しそうにしたのわかっちゃったんだよね?


こんなところで蒼に会うはずないの……


わかってるの


期待してもダメってことは……


「あのさ、俺…
ねぇ、俺さ、蒼って言うんだ
よろしくな!」


これで気づかねぇかな……


「……蒼」


蒼っていうの?


ねぇ、蒼なの?


「名前まで同じなのね……」
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