platonic love




『神崎先輩が、ごめんねって言ってくれたんだよ〜!今までにない反応だった。どうしよう!嬉しすぎる』

断られるよりも、行けないことにごめんねって思ってくれたことが嬉しい。

下駄箱で待っていてくれたサキと、話しながら帰る。


「よかったね!あーサキも早く恋がしたい」

『小さい事で苦しくなるし辛いけど、それ以上に嬉しいし楽しいし、幸せだよ』

「そっか。でも本当に瞳見てると幸せそう。優くん本当は優しい人だから、瞳の恋が実るといいなぁってサキは思ってるよ」

『ありがとう』


サキは、神崎先輩と昔から知り合いだった。サキのお兄ちゃんが元々仲が良くて、先輩のおばあちゃん家もご近所さんらしい。

サキの家にも、遊びに来たりするみたい。だから、あたしが散々かっこいいっていってた人が、神崎先輩ってわかった時のサキの驚き方は半端じゃなかった。


「なんか家庭で色々あるみたいだよ」

『そうなんだ』

「うん。優くんも好きであーなったわけじゃないと思うから」

『わかってるよ。別にあたし、先輩は普通だと思うし。放火したって事だって誰も事実はわからないし、そんな凶悪犯には見えないもん』

「そうだよね。なんか余計な事言ってごめんね」

うーうん、そんなことないよ

『いつもありがとうね』


サキはすごい優しい子で、先輩のことも知ってるからこそ、大事なことはユヅキやマコの前では話したりしない。

その話を聞いて、先輩がどう思われるのかちゃんと考えてくれてる。


「お祭り楽しみだね!!」

『甚平買いにいく?』

「いいね!」

『じゃあドンキ行こう〜』


それから、電車に乗って隣町のドンキまでいった。
サキは黒字にハイビスカスの甚平。あたしはピンクと紫のゼブラ柄の甚平。


先輩と過ごす初めての夏が、待ってる



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