platonic love
何十年も前から変わらず同じ日に行われるお祭り。
商店街は歩行者天国になって、いつもは人もいない神社がお祭りの中心になる。神社には、近くの中学でそれぞれ目立ったグループが集まっている。
神崎先輩もそこにいた。
焼き鳥、ぶどう飴、冷えパイン、かち割りブルーハワイ。
食べ歩きながら、何度も神社の中を通っては先輩に挨拶をして、楽しい1日を終えた。
次の日は、疲れがとれなくて、朝から体がだるかった。
『眠い〜』
「瞳、今日も行くの?」
『今日はサオリといくんだよね〜』
「部活ないのー?」
『だるいけど、出てからいくよ。』
「そっか。あたしもバスケ部のメンバーで行くから会えるといいねー!!」
席が近いからユヅキとはよく話す。
お祭り2日目の今日は、同じ部活のサオリと行くことになっていた。
サオリは、小学校の頃からの親友。
お互いいじめられて、一緒に戦ってきた同士でもある。
中学に上がってクラスは離れちゃったけど、移動教室が同じだったりすると盛り上がりまくって騒いでた。同じ部活だし、放課後もほとんど一緒にいる。
もちろん神崎先輩の話もしてて、避難訓練で校庭に集合した時に、あの人の事が好きなんだって初めて伝えた時は
「瞳が好きな人に出逢えてあたしもすっごい嬉しい」
って喜んでくれた。