platonic love
『サオリお待たせ〜』
「去年ぶりだよね〜何食べる?」
小6の時も、サオリとは一緒にお祭りを回った。たった1年でこんなに気持ちが変わるなんて不思議だな
たこ焼きを分け合って食べたり、ユヅキ達と会えてはしゃいだり、
2日目も楽しく終わろうとしていた。
「あ!瞳!!
あれ神崎先輩じゃないっ!?」
『…本当だ』
なんでそんな顔してるの?
『先輩!』
「おう」
すれ違い様に、思わず声をかけたけど、先輩は駆け足で横を通っていく。
どこにいくんだろう。
神社の横の細道に、バタバタと先輩達が入っていく。あんなに怖い顔見たことなかったから気になって追いかけると
そこには、神崎先輩の友達がいた。
いつも一緒にいて、髪の毛は茶色、耳にはピアスがじゃらじゃらとついている、タクヤ先輩。
神社へつながる小さな階段に腰をかけてるタクヤ先輩は、口から血を流している。
『…大丈夫ですか??』
「あぁ。大丈夫」
口元を抑える手が、赤く染まっていて、それ以上話すこともなくなったので、あたしはサオリを連れてその場をあとにした。
あたしがいたところで何もできないし、何も変えられない。
「帰ろっか」
なんとなく気分も下がってたあたしを見て、サオリが気を利かせてくれた。