platonic love



「食べる?」

何て言えばいいのかわからなくて黙ったあたしに、先輩は笑顔で抹茶味のピノをくれようとしてたけど、あたしは抹茶が苦手だった。


『抹茶嫌いなんで、大丈夫です』

だからそう言ったけど、

あたしの言葉と同時に、抹茶味のピノは宙に浮く。先輩が、アイスを箱ごと放り投げた。



あたしの言い方が気に入らなかったのかもしれない。きっとあたしのために買っていてくれてたのかもしれない。
でもその行動を見て、それまで何も思わなかった先輩のことが突然怖くなった。

その日は全然楽しくなかった。


何を話せばいいのかわからなくなって何度も

「いつもみたいに話せよ」

「お前なんなの?」

「なんかない?話すこと」

へらへら笑いながら言われたけど、きっとイライラしてたんだと思う。

押し付けてすぐにまたタバコを吸う。
携帯からは爆音でHIPHOPを流していて、余計に会話は少なくなっていく。



一生懸命、話せばよかったのかもしれないけど、何も話せなかった。

ここに住んでることにも驚いたし、食べないって断っただけでアイスを投げ捨てる神崎先輩にも驚いた。


先輩にとって、あたしはどんな存在なのかわからなくて



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