platonic love



返事も来ないのに

『先輩があたしのことどうでもいいならもう会いたくないです』

『なんでシカトするんですか』


先輩の気持ちなんて全く考えずに、メールを送った。手に入りそうなのに入らない、近くにいるのに遠い存在の先輩が、あたしは欲しくて仕方なかった。




その日から、先輩からは連絡もなかったし、メールしても先輩の気分でたまに返ってきたりする程度になっていった。


9月も終わる頃、
あたしはピアスを開けた。

右1こ左2このピアス



『同じ数、ピアス開けました』

「まじで?」

『なんでですか?嫌でした?』

「なんでそんな事まですんの?俺、お前と付き合う気ないよ」

『あたしが勝手に好きなだけなんで、気にしないでください。ずっと神崎先輩だけが好きです』


何回想いを伝えても、届かない想いもあるんだと思う。




あたしは神崎先輩の黒髪が好きだったけど、その頃先輩は髪を染めた。

学校には他校の女の子たちが校門で、待っていたりして、一緒に帰ってく姿を、教室から何度か見かけた。

金髪に、大きなピアス、ピンク色のセーター、ルーズソックス

そんな女の子たち。



あたしの何がだめなんだろう?

同じ学年の男子には告白もされてたし、遊びにいく時は化粧をしたりピアスを開けてたりしていたから実年齢より年上に見られることが多かったし、ナンパされたりもした。


だけど、先輩じゃなきゃだめなんだ。



< 46 / 76 >

この作品をシェア

pagetop