platonic love
先輩たちが集まる溜まり場に着いてからはお決まりのバースデーソングを歌ってもらった。それ以外は特に、夏休み明けに初めて会った時と変わらない。
「瞳ちゃん」
『なんですかぁ?』
「優くんのどこが好きなの?」
『んー全部!!』
「全部〜?」
『あたし、神崎先輩に出逢うために生まれてきたんです!!』
「すげぇな」
あたしに質問してきた別の中学の制服を着てる先輩は、煙草の煙を吐き出した後ゲラゲラと笑う。
「お前黙ってろよ」
その笑い声に、神崎先輩は恥ずかしそうにあたしを見つめる。
『だって本当に全部好きだもん』
「はいはい」
『顔もかっこいいし、ふらふらしてる性格も多分あたししか好きになりませんよ。感謝してください!』
笑顔で話し続けるあたしに、周りの先輩たちはさらに大声で笑っていた。
『喉乾いたぁ。それ、飲んでもいいですか?』
あたしの隣に座ってた他校の先輩が飲んでたミルクティーを指差すと
「うん、いいよ」
あたしが最年少ってこともあって、皆が優しくしてくれた。