platonic love
ーだけど、差し出された紅茶を一口飲むと
向かいに座ってた神崎先輩が、突然立ち上がって、あたしの手からミルクティーの入った缶を奪い取って
そのまま中身を捨て始めた。
『…何してんですか?それ、先輩のじゃないじゃん』
明らかに怒ってる神崎先輩に、周りの先輩はバツが悪そうな顔をして
「瞳ちゃん」
『…ミルクティーごめんなさい』
「瞳ちゃんのせいじゃないから。俺が考えてなかっただけ」
『…』
「優くんに、飲み物もらいな」
だけど納得がいかない。
あたしが好きなのは神崎先輩。
それなのに他の先輩の飲みかけのミルクティーをもらうのは、悪いことなのかもしれない。
でも、あたしは先輩の彼女じゃない。
ヤキモチ焼いてるのはあたしにだってわかる。だけど、それってなんで…?
あたしの事なんか好きじゃないくせに
自分は、色んな女のコと毎日遊んでるくせに。あたしには誕生日プレゼントくれなかったけど、他の女のコにはあげてることだってお姉に聞いて知ってる。
何も知らないと思ってるの?
「いる?」
『…いらないです』
何もなかったように神崎先輩は飲んでたペットボトルを、渡そうとしたけど、あたしは意地を張って受け取らなかった
「あっそ」
ペットボトルは、そのままゴミ箱に捨てられた。