platonic love
先輩に返さなきゃ…。
少し離れた場所で見ていたユヅキ達は、心配していたけど、あたしは、怒っていたからとはいえ、あたしのことなんて眼中に無いって感じで通り過ぎていったことがショックだった。
家に帰って
『大丈夫でしたか?』
とだけメールを送ったけど、やっぱり返ってこない。
返す方法がなかったから、三年の担任の先生に『文化祭の時廊下で拾いました。神崎先輩のだと思います』って伝えて、渡してもらった。
冬が近付いた頃には、あたしと先輩の関係は完全に終わっていた。
文化祭の後すぐに神崎先輩には彼女ができて、関わることもなくなった。
夏休み明けすぐに彼女ができた時とは違ってもう涙も出なかった。
きっと心のどこかで、先輩に彼女ができることにも気付いてたのかもしれない。
あたしもあたしで好きな気持ちは一ミリも変わらなかったけど、どうすればいいのかわからなかった。
部活がない休日はサオリと遊びにいったり、放課後はユヅキ、サキ、マコとカラオケに行って盛り上がったり
先輩がいなくても大丈夫って言い聞かせて過ごした。