platonic love
誕生日から数日後のバレンタイン
大量の友チョコと、お返しがほしくて義理チョコ、それから先輩への本命チョコ
何種類も作った。
3年生の廊下にいくと、先輩はさすがにバレンタインってわかっていたからか笑いながら教室から出てきた。
『ねぇ先輩。10分時間ない?』
「ない」
『じゃー5分!」
「ない」
『あっそー!!じゃあいいです!』
「なんだよ(笑)」
本当は二人で会って渡したかったけど、もういいや。
『はっぴーばれんたいん!』
これ以上の笑顔もう2度とできないってくらい笑って、後ろに隠してたチョコレートを差し出す。
先輩は相変わらず笑って、受け取ってくれる。
「ありがと」
『じゃあまた』
あたしと会わない間に、いつのまにか金色に変わっていた先輩の髪。
眉毛にもピアスがついていた。
たった数ヶ月で、変わっていく。
だけど、それはあたしも同じ。あたしも先輩と会わなくなってからピアスの穴を増やした。両耳合わせて11コ。軟骨にも開けている。
変わっていくことを寂しく思う必要はない。
だけど、やっぱり先輩が卒業しちゃうことは、やっぱり寂しく思うよ。