秘め恋*story2~学校で…~
朝、5時半。
最悪な目覚め。
身体が痛い。
久しぶりなのに、労ってくれない自分勝手な夫は、まだ隣でイビキをかいて寝ていた。
重い腰を上げて、いつものように朝支度をする。
いつものように、夫と隆を送り出す。
「あら?何だかお肌ツヤツヤしてない?
もしや、旦那さんとラブラブした?」
パートへ行くと、万智子さんがニヤニヤしながら訊ねてきた。
体は正直なのかな…
心はこんなに渇いたままなのに。
なんて思いながら、苦笑いで返して仕事に取りかかった。
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お昼休み、万智子さんや他のパートの人とお弁当を食べながら世間話をしていると、私のケータイが鳴る。
「もしもし、宮崎です。」
『あ、隆くんのお母さんですか?
隆くんの担任の佐伯です。突然すみません。』
「せ、先生っ…」
電話の相手は、なんと佐伯先生…
あのちょっと掠れたセクシーな声。
一気に胸が騒ぎ出す。
騒ぐ胸を押さえながら、声をかける。
「あの、隆が何か…?」
滅多に学校から電話なんてない。
何かあったんだ…直感で思う。
私が訊ねると、佐伯先生は少し言いにくそうな声いろで…
「いや、実は隆くんが…」
その先の先生の言葉に私は、絶句した。
電話を切ってからも、暫くぼーっとしたまま。
隆が…殴り合いのケンカをした?
そんな一報を知らされ、私は、パートが終わってすぐ学校へ向かった。
息子がケンカをして学校へ呼び出し…
でも、この呼び出しが私のこれからを変えることになるとは、思ってもみなかった。