初恋スクランブル




「私は最後まで諦めたくないの。」

「もう、無駄だと思うけどな・・・。」

「やってみないと分からないじゃない!」




告白してみなければまだ分からない。


そう私はいつも自分に言い聞かせている。



そうしないと二人の間を認めてしまいそうだから・・・。




「何で、そんなに悠樹がいいんだ?もっと、他にいねぇの?」

「時雨には瀬名君の良さが分からないわよ。」




他の変わりなんていない。


私は時雨と違って好きな人をコロコロと変えたりはできない。



瀬名君を好きになったのは些細なことがきっかけだった。


入学してすぐに私の隣の席は時雨だった。


時雨によく会いに来ているのが瀬名君で最初は何も思っていなかったけど・・・段々、気になって私は瀬名君が好きになった。


そんな瀬名君と接して少し仲良くなったと思ったら結衣が瀬名君の前に現れた。


その時の瀬名君は私の顔なんて全く見ていなくて結衣の顔ばかり見ていた。



自分の好きな人の変化というものは直ぐに分かるわけで、私は気づかなくてもいい事実に気づいてしまった。


それ以来、瀬名君は図書室の窓から見える部活をしている結衣の姿をよく見ている。





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