初恋スクランブル
次第にその目は冷めた目をして俺に向けた。
「何ってキスだろ?」
「・・・・・・ふざけてるの?」
「ふざけてなんか無い。俺は、お前が好きだ。」
キスして告白なんて順番はめちゃくちゃだ。
でも、彩夏にとって俺は元々嫌いな相手だからこれで彩夏は俺のことを本当に嫌いになるだろう。
「もしかして初めてだったか?」
好きな女にこんなことしか出来ない俺は最悪だ。
すると、頬に鋭い痛みが走った。
パンッと大きな音が俺の耳に遅れて聞こえる。
「あんたなんて最低な奴よ!」
彩夏はそう叫んで鞄を持って勢いよく図書室を出て行った。
残された俺はただ一人ポツンとそこにいた。
嫌われれば何かが変わると思ってた。
でも、残された思いは期待していた思いなんかじゃなくて俺の胸を締め付けた。
「どうすればいいんだよ・・・。」
返ってこない質問を俺は呟いた。