初恋スクランブル
【西脇さんの気持ち】
遂に運命の卒業式がやって来てしまった。
自分の手元にあるのは高校三年間を全て終えた証の賞状。
怖い、逃げ出したい・・・。
さっきからそんなことばかり思っている。
でも、時雨に言ってしまった。
恋というものは障害があってこそ成立するものだと・・・。
その言葉に恥じないように告白をしなくてはいけない。
私は一歩ずつ瀬名君に近づく。
「瀬名君、話があるんだけどいい?」
友達と話している瀬名君に話しかけると瀬名君はニコッと笑った。
「うん、いいよ。僕も西脇さんに話があったんだ。」
笑顔で了解してくれたことが嬉しかった。
そこから私と、瀬名君は人気の少ない場所に出た。
「で、話って何かな?」
私は震える足を必死に立たせた。
そして、誰もいないことを確認して私は口を開いた。