初恋スクランブル
時雨は私が瀬名君を好きだと知った時、必要以上に邪魔をした。
それ以前から、よく何かと邪魔はしてきたけどさらに酷くなったと思う。
瀬名君と私が二人きりになった時だって、いい雰囲気になった瞬間に時雨は私達の前に現れた。
そんなことがあってか私は高校生活の中で誰が一番嫌いですか?と聞かれたら真っ先に時雨と答えられるほどに時雨が大嫌いになった。
「時雨って本当に性格悪いわよね。」
堂々と悪口を言う。
「俺が性格悪いって言ったら彩夏なんてもっと性格が悪いと思うけどな。」
「な、何よ・・・馬鹿時雨!」
私の声が教室内に響く。
その声を聞いた皆は目をキョトンとさせて驚いている。
「声がでかいんだよ・・・。」
でかいのはどっちよ!
そう思っていたら、側にいた女の子数名が私の元に来た。
「ねぇ、西脇さん。時雨が馬鹿ってどういうこと?」
「時雨を馬鹿呼ばわりするなんて何様のつもり?」
「時雨に謝りなさいよ!」
私を攻めてくる女の子達。
この子達は時雨を好きな女の子達だ。
カッコいい時雨に馬鹿を言うなんて許せないと思っているんだろう。
これだから、時雨とは関わりたくない。
少しカッコいいからって何なの?