初恋スクランブル




私が一番落ち着く場所は図書室だ。


図書室は思い出が深い場所でここで高校三年間を過ごしてきたと言ってもいい。
そんな図書室でやっている部活が文芸部。



私は本がそれ程好きというわけではないけど、文芸部に入部した。


理由は簡単で・・・・・・。




「やっぱり、ここにいたか。」

「ごめんね、西脇さん。時雨が何かしたみたいで・・・。」

「いや、俺は何もしてねぇし!」




いきなり声がして声がした方を見るとそこには時雨と瀬名君がいた。

「つーか、今日も俺たちしかいないのか・・・。」

「人数はたくさんいるんだけど・・・幽霊部員が大半だからね。でも、その分広々と使えるよ。」




本が好きではない私がこの文芸部に入部した理由・・・。


それは、瀬名君がこの文芸部に所属しているからだった。(ついでに時雨も)




「卒業まであと少しだから少し名残惜しいね。」

「でも、特に何もしてねぇけどな。」

「それは、時雨の場合でしょ。私はキチンと本を読んでるわよ。」




本を時雨に見せる。


恋する女は好きな人がいるからという理由で嫌いなものに取り組めるのだと入部したときはよく思った。





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