初恋スクランブル




「どうして、嘘ついてるなんて思うのよ。」




せめてもの抵抗で時雨を睨むと時雨は癖だよと言った。

は?癖?


意味が分からずに首を傾げていると時雨は私の髪を少し取った。




「お前はいつも嘘をついている時は髪を弄りながら話すんだよ。」




時雨が自慢げに話す。


自分でも知らなかった行動を指摘されるのはムカつく。




「・・・・・・時雨のくせにムカつくのよ。」

「はっきり言いすぎだろ。」

「それくらい言っても時雨なら罰は当たらないわよ。」




私は頬を膨らませて時雨に言うと時雨は困った顔をした。


時雨は嫌いな相手だ。



嫌いな相手なのに・・・その時雨がもしかしたら私のことを一番よく知っているのかもしれない。


そのことが私を余計に腹立たせる。




「で、何を知ってるんだよ。」




時雨の言葉を聞いて私はさっき瀬名君が見ていた窓に近づいた。


その私の行動を見て時雨も窓に近づいた。




「・・・・・・あれか。」




時雨が窓から見える光景にポツリと呟く。





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