レインドロップ
「千里は…」
ちょっとだけ躊躇して
「千里は可愛いよ」
大真面目な顔をして言う祐くん。
一瞬にして顔が朱に染まる私。
ギョッと目を見開く蒼ちゃん。
「お…おい祐、よく見ろ!千里だぞ?ガサツで声デカくてお節介ババアの千里!」
「なっなによー!」
キャンキャン言い合う私たち。
売り言葉に買い言葉、喧嘩は加速する一方。
「確かに…」
それを止めるのは祐くんの役目。
「確かに千里は、雑で声が大きくてちょっとお節介なところもあるけど」
そこは素直な祐くん。
私がちょっと落ち込んでいると……
「でも、ババアじゃないし、可愛いよ」
またまた大真面目な祐くん。
「祐くん大好きー!」
絶句している蒼ちゃんに向かってあっかんべーをして、祐くんの腕に抱きつく。