レインドロップ
はぁ……
俺が小さくため息をつくと、2人は不思議そうに再び顔を見合わせた。
「あ、でもあれが一番だよな!あの本!」
「あれは本当にビビったわ」
2人が思い出したように続ける。
「本?なんだよそれ」
「えっ蒼知らないのか?!」
いつの間にか泣き真似をやめていたマサトか割って入る。
そしてごそごそと自分の鞄をあさり、一冊の雑誌を取り出した。
「ベリィガール…?」
マサトが取り出したのは、今女子中高生に絶大な人気を誇るファッション雑誌‘ベリィガール’だ。
「これがどうしたんだよ?」
「たしかここらへんのページに…」
マサトがページをめくりながら何かを探す。
「おっ!あったあった。これ見ろよ、蒼」
マサトが差し出したページには…
「……千里と…瑠里……?」
‘街角snap’と書かれたページには何人もの女子たちが写っている。
その中でも、ひときわ目立つ位置とサイズでふたりの写真が載せられていた。
ちょっと機嫌が悪そうでにこりともしていない瑠里と、その隣で困ったようにはにかむ千里。