レインドロップ
そのままなんとなく無言でいて、まさかお菓子を食べに来ただけ?なんて思い始めたころ
「俺さ、彼女できたんだ」
蒼ちゃんの視線はテレビに向けたままで動かさない。
「あ、うん。おめでとうって言おうと思ってたの!」
そういうと、気のせいかもしれないけど、蒼ちゃんがため息をついたような気がした。
「だからさ」
「うん」
「幼なじみ、もうやめるわ」
「え…?」
幼なじみ…やめる…?
やめるってどういうこと…?
「一緒に登校したり、家に行ったり、そういうの無しな」
待って、わからない。
どうして無しになるの?
生まれからいままで、ずっとしてきたことなのに…
「そういうの、彼女とやることだろ」
…あ、そうなのか……
そう…だよね
「ていうか、めんどくさい」
「え?」