レインドロップ

そのままなんとなく無言でいて、まさかお菓子を食べに来ただけ?なんて思い始めたころ

「俺さ、彼女できたんだ」

蒼ちゃんの視線はテレビに向けたままで動かさない。

「あ、うん。おめでとうって言おうと思ってたの!」

そういうと、気のせいかもしれないけど、蒼ちゃんがため息をついたような気がした。

「だからさ」

「うん」

「幼なじみ、もうやめるわ」

「え…?」

幼なじみ…やめる…?

やめるってどういうこと…?

「一緒に登校したり、家に行ったり、そういうの無しな」

待って、わからない。

どうして無しになるの?

生まれからいままで、ずっとしてきたことなのに…

「そういうの、彼女とやることだろ」

…あ、そうなのか……

そう…だよね

「ていうか、めんどくさい」

「え?」
< 72 / 80 >

この作品をシェア

pagetop