月の女神
◇Episode3◇ 月の女神と研修した日
「ねーねー結真くん、お菓子いる?」
「いらない」
「ジュースは?」
「いらない。ってか並べよ」
「ねぇ彼女サンってどんな人」
「うるっせぇ!」
資料館の前で点呼を取る為に並んでいる生徒から結真が総攻撃されてる。
「先生、全員います」
「うん、ありがとう」
その背中を見つつ、自分のクラスの生徒から報告を受けて学年主任に報告する。
普通科担当の先生が諸事情の話を始めたころ、疲れた顔で結真が隣にきた。
「…なんかすっごく疲れてない?」
「バスの中で質問攻め」
「あぁ…」
まだまだこれからが研修だと言うのに、行きの移動だけでこんなに疲れてるとは。
「そっちは?」
「僕のバスはカラオケ大会だったから」