KritO
01
あぁ……
あいも変わらず、ほんと馬鹿だ。
私は1人、公園で暇を持て余していた。
確か来た時は月が登って無かったのに、今では夜の闇を明るくてらしている。
流石にもうそろそろ帰らないと、明日学校へ行くのが辛くなるかもしれない。
でも……まだ家には帰りたくない。
もう少しだけ、残ろう。
幼稚園の頃には大きく感じていたブランコも、高校生となった今ではもう小さい。
私はそこにちょこんと座って、ゆらゆらと揺れていた。
……小さいな。
あの頃の私たちは間違いなく笑い合い、泣き合い、喧嘩もしていた。
いつからだろう…。
私が彼を避けるようになったのは。
いつからだろう、
彼が私を避けるようになったのは。
そして、私が感情を捨てたのは
……いつだっけ。
私は珍しく、シャボン玉のように現れては消えていく懐かしく美しい思い出に、しばらく浸っていた。