不器用なあいつ。
Ⅰ
同じ名字のあいつ。
-佳澄(カスミ)視点。
「はあ?嘘でしょ?私帰る!!」
「待ってよー。佳澄ー!!」
高校生活もなれてきた、高1の秋。
私、長谷川 佳澄(ハセガワ カスミ)。華の女子高校生。
高校からの親友のみつきちゃんが、自分のおごりでカラオケに行こうって言ったから来たのに。
「合コンだなんて聞いてない!」
「だからごめんってばー。いいじゃん佳澄彼氏いないんでしょ?」
「そうだけど、そう言う問題じゃないでしょ!」
店についたところで、みつきちゃんに合コンだとばらされた。
生まれてから16年とちょっと。1回も合コンなんてものは行ったことがない。
中学の頃は彼氏がいたから行く必要がなかったから、というのもあるけど
合コンとかって男(または女)に飢えてる人が行くみたいで凄く嫌だ。
「だって佳澄の写メ見せたら気に入っちゃって。佳澄いないと男子帰っちゃうよ……」