不器用なあいつ。
Ⅱ
次の日。学校に行くと、みつきちゃんが私の席に座っていた。
「おはよーみつきちゃん」
「おはよ佳澄。可愛いね、それ」
リュックに付いたひつじを掴んだみつきちゃん。
「ああ、大ちゃんに取ってもらったんだ」
「大ちゃん?」
不思議そうな顔をするみつきちゃんを見て
やってしまった、と思った。
合コンで連れ出された次の日だってかなりいろいろ聞きだされたのに。
一緒に遊びに行った、なんて言ったら。
「あー、うん。友達」
「へえ、そうなんだ」
思っていたよりも、みつきちゃんは追求してこなかった。