魅惑な彼女

こんこん……。

「奏、いるか?」

「お兄ちゃん」

ドアをノックするが奏から返答はない。

ドアには昔、幼い未亜が奏にプレゼントした『かなちゃん』と幼い字で書いてあるプレートが飾ってある。

「お兄ちゃん入って……」

「未亜は入るな、御幸だけ入れ」

鋭い声が響く。

御幸はドアノブを回し部屋に入る。
ドアが閉まった瞬間、未亜はドアに耳を寄せて中の様子を伺う。
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