魅惑な彼女
未亜ちゃんは窮屈に生きている。
過去のトラウマがあるせいで親にも奏にも自分の考えを言えないし、人もあまり信じられてない。
助けられる事が怖いのだと思うんだ。
でも俺が昨日助けて、空手を見たって普通に接して、しかも奏の友人だから信じてみてくれたんかな。
だから過去の話を打ち明けた。
あえて少女と言って。
きっとセリーヌという肩書きだとか、似合わない空手だとか、女というプライドだとかが邪魔なんだろうと思うし、未亜ちゃんかわいいし……。
だからこそわがままに生きて欲しいと思った。
ただそれだけ。
御幸はそう区切りをつけて気持ちを整理する。