魅惑な彼女
入学式と始業式が終わってしばらくした日だった。
1日の授業終了のチャイムが鳴り響く。
御幸は担任に引っ掛かった奏を置いていって1人グラウンドへと向かった。
まだ部活が始まるには早い時刻だ。
グラウンドにあるベンチに向かうとその影にしゃがみこんでいる人がいる。
「……未亜ちゃん?」
「あ、御幸先輩」
その影は未亜のものだった。
「どうしたんだ?こんな所で」
「いや~それはですね……」
未亜と背中合わせで座る。
「実は人に追われてまして」
「誰に?」
「1年の酒井です」
「あぁ、入学早々に女という女をナンパしまくったってやつか」
「はい、後は3年の近衛」
「プレイボーイで有名な……」