真っ暗な世界で
しかし、一番、面倒なのは、この超ハイテンションの峠を越えた後。


「……うぅ……何やってんだ、私……最悪じゃん……」


必ずと言っていいほど、室内で不審物を自主栽培する。


その不審物のオーラは、ありえないくらいの負のオーラ。放っておけば、やがて屯所全体を覆い尽くすようになると思われるほど。


その処理をするのは、当然、私。


幹部にやらせるのは忍びない上、永倉さんと藤堂さん、原田さんの三馬鹿は、何故だか負のオーラに滅法弱い。


不審物の負オーラに当てられると、半日は使い物にならなくなる。


平隊士にやらせたら、一週間は使い物にならないかもしれない。


消去法で、私なのだ。


「咲洲……。あまり、落ち込まないで」


それ以上、不審物を増やされたら困るから。


「……ハルは、優しいな」


咲洲が、私に救いを求めるような雰囲気を醸しだす。


この雰囲気に乗らないわけにはいかない。乗らなければ、咲洲がさらに不審物を栽培する可能性があるからだ。


「……元気、出して」


「………ハルゥ〜〜!」


先ほどとは違う、気持ち悪さを出す弱気な咲洲。


弱々しく、私の抱きしめてくる。私は、されるがままに抱きしめられる。


弱々しいのは、咲洲に合わない。










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