真っ暗な世界で
咲洲に興味を持つ。咲洲に興味を持つ。咲洲に興味を持つ。咲洲に……
「興味はない」
「ひどぉぉぉーっ!」
耳元で叫ばれ、バタンと何かが倒れる音がした。
うるさい。大袈裟。鬱陶しい。
そう言おうと口を開きかけた時だった。
「ふふっ……あははははっ!」
咲洲が突然、笑い出したのだ。
「…………頭、おかしくなった?」
気味が悪くて、咲洲から少し離れると、咲洲はゴロリとまた少し近づいて、得意気に言った。
「いんや。実は、ハルはもう、私に興味を持ち始めてるんだよ」
「何言って………」
「私に疑問を持つ。それは、私に興味を持ち始めてる証拠だ」
いつの間に起き上がったのか、「いいぞーっ」と私の頭をくしゃくしゃと撫でてくる。
「ハルは、他人に興味がなさすぎなんだよ。それが、今回の謹慎にも繋がったんだ。
ハルはもっと他人を知ろうとするべきだし、あいつらはハルを知ろうとするべきだ。そうすることで、本来あるべきだった、絆が生まれるはずだ。簡単に揺らがない、強い絆が」
強い、絆………。
私は、ずっと絆というものは必要として来なかった。信じてもいない。
絆というものは、不確かで、ちょっとしたことで消えてしまう。そんな不安定なものに頼れはしない。
そんなものを、さらりと綺麗事として言葉にする人間は苦手だ。
でも、咲洲は、違う気がする。
絆というものが分かっていて。裏切られた時の悲しみも分かっている上での、言葉だと感じた。
「……私は、絆という不確かなものは信じていない。頼ったりもしない。絆という言葉を簡単に言う人間は好きじゃない」
「………うん」
「でも、咲洲の言葉は、ただの綺麗事じゃない。そう思う」
「う、うん……」
「だから、新選組に必要ならば……やってみる。幹部の人たちに興味を持ってみる。その第一歩として、咲洲に興味を持ってみる。咲洲を信用してみる」
咲洲は夏希ちゃんに似ていて、苦手だ。でも、それに惑わされて、咲洲がみえなくなってしまうのは嫌。
だからというわけじゃないけれど、咲洲が言ったことをやってみるのも悪くないかもしれないと思った。
「ハルッ……!」
私の言葉に、咲洲はとても明るい雰囲気になって、私の頭を撫でた。
「興味はない」
「ひどぉぉぉーっ!」
耳元で叫ばれ、バタンと何かが倒れる音がした。
うるさい。大袈裟。鬱陶しい。
そう言おうと口を開きかけた時だった。
「ふふっ……あははははっ!」
咲洲が突然、笑い出したのだ。
「…………頭、おかしくなった?」
気味が悪くて、咲洲から少し離れると、咲洲はゴロリとまた少し近づいて、得意気に言った。
「いんや。実は、ハルはもう、私に興味を持ち始めてるんだよ」
「何言って………」
「私に疑問を持つ。それは、私に興味を持ち始めてる証拠だ」
いつの間に起き上がったのか、「いいぞーっ」と私の頭をくしゃくしゃと撫でてくる。
「ハルは、他人に興味がなさすぎなんだよ。それが、今回の謹慎にも繋がったんだ。
ハルはもっと他人を知ろうとするべきだし、あいつらはハルを知ろうとするべきだ。そうすることで、本来あるべきだった、絆が生まれるはずだ。簡単に揺らがない、強い絆が」
強い、絆………。
私は、ずっと絆というものは必要として来なかった。信じてもいない。
絆というものは、不確かで、ちょっとしたことで消えてしまう。そんな不安定なものに頼れはしない。
そんなものを、さらりと綺麗事として言葉にする人間は苦手だ。
でも、咲洲は、違う気がする。
絆というものが分かっていて。裏切られた時の悲しみも分かっている上での、言葉だと感じた。
「……私は、絆という不確かなものは信じていない。頼ったりもしない。絆という言葉を簡単に言う人間は好きじゃない」
「………うん」
「でも、咲洲の言葉は、ただの綺麗事じゃない。そう思う」
「う、うん……」
「だから、新選組に必要ならば……やってみる。幹部の人たちに興味を持ってみる。その第一歩として、咲洲に興味を持ってみる。咲洲を信用してみる」
咲洲は夏希ちゃんに似ていて、苦手だ。でも、それに惑わされて、咲洲がみえなくなってしまうのは嫌。
だからというわけじゃないけれど、咲洲が言ったことをやってみるのも悪くないかもしれないと思った。
「ハルッ……!」
私の言葉に、咲洲はとても明るい雰囲気になって、私の頭を撫でた。