真っ暗な世界で
「人間の歩幅は、身長−100と言われています。私の身長は146cmなので、146−100=46。つまり、私の歩幅は約46cm。
ここから、向かいの壁までは10歩、歩きます。つまり、46×10=4.6m。この広間は、縦が短く、横が長い長方形。横は20歩、歩きます。つまり、46×20=9.2m。さらに、この部屋の面積は4.6×9.2=42.32㎡……」
突然、話し始めたハル。
しかも、尋常じゃないくらいの量を話してる。
私には、歩幅がどうのこうの……位しか頭に入らない。
×とか、−とか、mとか、こいつらがわかるわけ無いだろ。
皆に伝わらないといけないのに、ハルは一方的に話している。
ほら、みろ。皆、ポカンとしてる。
「……ハルが………話してる」
永倉が、ポツリと呟いた。
「……初めて、こんなに話すとこみた……」
沖田も、一人呟く。
永倉と沖田の言葉に、全員が頷く。
うんうん、じゃなくて、内容、どうなの!?わかってんの!?てか、それ以前に聞いてたか!?
「せんちめーとるやら、めーとるは分からんが、大体は分かったぞ」
私の心の声は漏れていたらしい。ハルは話すのをやめて、土方は腕組みしながら私に向かってドヤ顔しやがった。
「…………へ?」
だけど、今はそのドヤ顔の存在が薄くなるくらいに驚いていた。
「足算や引算、掛算と割算位なら普通に出来るぞ?面積も、問題はないっ」
平助も、拳をつくって、ニカッと笑う。
「江戸時代の一般人の学力は世界トップクラス。トップクラスなら、これくらいの計算なんて朝飯前でしょう」
ハルも呆れたように、首を左右に振って、息を吐いた。
ここから、向かいの壁までは10歩、歩きます。つまり、46×10=4.6m。この広間は、縦が短く、横が長い長方形。横は20歩、歩きます。つまり、46×20=9.2m。さらに、この部屋の面積は4.6×9.2=42.32㎡……」
突然、話し始めたハル。
しかも、尋常じゃないくらいの量を話してる。
私には、歩幅がどうのこうの……位しか頭に入らない。
×とか、−とか、mとか、こいつらがわかるわけ無いだろ。
皆に伝わらないといけないのに、ハルは一方的に話している。
ほら、みろ。皆、ポカンとしてる。
「……ハルが………話してる」
永倉が、ポツリと呟いた。
「……初めて、こんなに話すとこみた……」
沖田も、一人呟く。
永倉と沖田の言葉に、全員が頷く。
うんうん、じゃなくて、内容、どうなの!?わかってんの!?てか、それ以前に聞いてたか!?
「せんちめーとるやら、めーとるは分からんが、大体は分かったぞ」
私の心の声は漏れていたらしい。ハルは話すのをやめて、土方は腕組みしながら私に向かってドヤ顔しやがった。
「…………へ?」
だけど、今はそのドヤ顔の存在が薄くなるくらいに驚いていた。
「足算や引算、掛算と割算位なら普通に出来るぞ?面積も、問題はないっ」
平助も、拳をつくって、ニカッと笑う。
「江戸時代の一般人の学力は世界トップクラス。トップクラスなら、これくらいの計算なんて朝飯前でしょう」
ハルも呆れたように、首を左右に振って、息を吐いた。