真っ暗な世界で
ふ、と自分を嘲笑すると、目を閉じてゆっくりと深呼吸した。


落ち着いて。心を静かに。


邪魔な良心も全て、私が創りだしたもの。全ては私の心の弱さから。


この時代に来た時、身を持って実感したでしょう。


殺らなければ、殺られる、と。


生き残りたいのなら、傷を負う覚悟で前に進まなければならない。どんなに嫌なことも、やってのけなければならない。


どんなに恐れられても、嫌われても。私は、新選組と一緒に、この時代を生き抜きたい。


なら、怖気づいている場合じゃないでしょう。


『ハルくん、終わったよ』


沖田さんの準備終了の声が私の耳に響く。


『ありがとうございます』


さぁ、始めよう。


死ぬより辛い最恐の拷問を。





< 177 / 195 >

この作品をシェア

pagetop